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「総統の子ら」

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投稿日時
2011-05-11 16:11:34

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SSの道を目指した少年たちと、仏米露相手に戦うドイツの長い旅をする物語。
日本はお友達ポーランドは支配下、イタリアと英中はここにはあまり出てきません。

ナチス親衛隊。
でいいんだと思いますが解説につぐ解説が山のよーにつきまとうディープな世界、が舞台です。
すでに図書館に返却した後なのでちらっと確認。げっそり。
総統にくっついて旗を振ってる一群、みたいなイメージではなく、超大規模てことなのですが
能力と見栄えを選びまくったエリート集団の実用精鋭部隊。の養成組織の。
統括はハインリヒ=ヒムラーさんで、金髪碧眼の人種選別は主に彼の信念による方針のようです。
ヒトラーユーゲントというのはボーイスカウトのような……でしょうか、誰でも、と言うか義務?

血泥々で夢幻(著者の梨園や江戸のハナシと同じく)ですが、膨大な史実を下敷きに書かれています。
(調べてみてよく分かったのは実はそれだけ)

お話の中心になる2人、3人いや4人?いや何人だろう……。読み終わってから
考えたら巧妙な分担があるみたいなのに、役割を感じさせない登場人物はそれぞれに印象的です。

年少組の憧れの兄貴が忠誠を誓う総統とは。

絶対負けない強い国を作りたかった悲願の人、ヒトというより雲の上の象徴、星みたいなものです。
少しでも近く。夢見て試練に耐え、勇ましく戦って負傷する、敗戦する……
駆け上がるトコロに増してそのアト、だったりします。
終章で感じるのはまだ終わっていないという驚きと、正義より価値があるもののこと
それを犯罪として裁く権利を同じ人間が手にすること。

ホロコーストにこの少年たちは関わりません。(ただし関わっても話は変わらないかもしれません。
彼らは己が歯車のひとつであるのを自覚し、誇りとし理想に燃えてもいます)
歴史は1人の英雄が築くものでも稀代の極悪人が曲げるものでもないのです、のに、だいたい
誰かがやったコトになっています。なんででしょうね。
……決まってると整理するのに便利ですね。
(アミダクジや決闘で決めてるコトなら更に分かりやすくていい。とか思ってるのですが)
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