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小説の1場面

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投稿日時
2012-09-25 11:52:07

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模倣犯。1995年~連載で単行本刊行が2001年、読んだのは先月。
この小説と死のノートアニメ版(カミと疎遠で; )の面白さって、似てますね!と思ったのです。
巧妙な凶悪犯罪と対決するリアルで柔軟な虚構の傑作。
犯人はあらかじめほぼ確定。犯人探しではなく、そしてどうするのか、が面白い。
犯罪の影響がどんな悲惨にまで及び得るか、悪事をどう否定していくか、を書かれてるのがこちら。
似てたら何か?てのが。宮部みゆきさんの、言葉にはされてない願いを強く感じると言いたいのです。

わたしはこれから黒い魔術を扱うけれど、その作品がヒトにとってけして悪いものとはなりませんように。
と、いうような。なんか大変残念な感じになりましたが。
これがあるから名作なのではないかと思うです。ない名作もあります。
作中の犯罪者の名前が実在の人と被らないよう変則な読みになったというライトさん。
被ったら発生するかもしれない問題を回避する対策みたいな事で、上のお願いのような思いとは無関係
なのでしょうか、仮にそうでなかったとしたら、作品が望んではいない結果も残したでしょうかとか。
大作家のお話は倫理的であるべきなんて思ってるのではなく。作品のドコからなにをどう受け取るかは
受け手の選択ですが、つまりアニメ版では月さんじゃない人がヒーロー、という話だと思ってるので。

模倣犯は文庫本で5冊。長い小説の内容には、もうひとつの事件が含まれます。両方に関わった少年が
登場します、主人公は彼……かどうかは疑問。分けて書いたら何本か分のネタを豪気に一挙投入。
当然1本じゃないと出来なかったコトが書かれています。とても分かりやすい文章。
誰か1人の物語というよりご家族のお話、かもしれません。1名以上で構成されるのが家族。
人が人とのつながりを作るうえで最初の基盤となるもの、と考えられてるのではないかと思われます。
この犯人には特徴がありまして。
ご家族に(も)つながりを持てなかったヒトたちです。主犯の人のご家庭は書かれ方から他と違っていて
作為的に差をつけてあると言うより、これはご自身で読んでいただかないと説明されても不明でしょうが
怖いです。得体のしれない恐怖を感じられるのではないかと思います。
先の少年はご家族を、なくしたヒト。の1人。
彼は生きるためのつながりを家族以外に見つけていきます。面白さの1つです。死んだ人はいないけど
存続の危機に瀕するご家庭が出てきます。破滅に追い込まれたご家族も。いろんな読み方ができます。

タイトルの意味が開示されるのは最終巻で、ミステリのトリックに相当する作者からの挑戦状ですかも。
ラストの発破で犯人の悪意は正義の名において破れ、この作品の主旨として収束します。――犯罪を
このように人が人を殺すことを、わたしは許せません――という単純なものかは保証いたしかねますが。
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