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投稿日時
2021-10-19 14:33:55

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狂老人卍/百人一首乳母が絵解き 権中納言敦忠「逢ひ見ての後の心にくらぶればむかしはものをおもはざりけり」
の絵。そっち?な超訳シリーズものでキワモノですが錚々たる美麗。



百人一首序歌というものがあって。カルタ合戦の始めに、本編上映前に流すやつ的に読むとか初めてのお習字だった(ロリの草分け紫ちゃんはコレをまだしてないぐらいガキですのでって辞退されるのですが、授業でやった訳は”ねんね”だった気がします。酷い)とか、わりと一般教養なんですとは全然知りませんでしたーというワケで久方ぶりに読みました、古典。ウェブだとさくっとだらだら見てられますね。意味がわかると楽しい。わかんないなりに耳に残る呪文もあります琴線に触れるやつ。折々ささるとこも変わりますでわちょっと貼ってみます。

  ちはやぶる 神代もきかず 竜田川 からくれなゐに 水くくるとは  在原業平朝臣 

現役時代のマイベスト。あと分かれても合わすとか花が散るのだとか、あるあるー?↑こちらはかっこいい単語で期待したほどの内容でもない(えっ)とはいえ、鮮やかな紅い物が流れてゆく川。すごいインパクトでしょーよ歌にしたくもなる。こんなの↓もあります人気タグです。どれに一番ぐっときますか。

  山川に 風のかけたる しがらみは 流れもあへぬ もみぢなりけり  春道列樹
  あらしふく 三室の山の もみぢ葉は 龍田の川の にしきなりけり  能因法師

↓現在の推しはこちら。夜明け霧の中から氷魚(アユ稚魚)漁の柵がどーん。ご当地名物づくしだそうです。

  朝ぼらけ 宇治の川霧 たえだえに あらはれわたる 瀬々の網代木  権中納言定頼

↓恋歌の次に季節を詠んだ歌の中でもダントツの一番人気秋の歌。鹿の声は♀を呼ぶ声、合わせ技です。
月はどうかな煌々と輝いてるのが悲しくなる心境とは悲恋……とは限りませんか。

  奥山に 紅葉踏みわけ 鳴く鹿の 声聞くときぞ 秋は悲しき  猿丸大夫
  月見れば ちぢにものこそ 悲しけれ わが身ひとつの 秋にはあらねど  大江千里
 
  白露に 風のふきしく 秋の野は つらぬきとめぬ 玉ぞ散りける  文屋朝康
  かささぎの わたせる橋に 置く霜の 白きを見れば 夜ぞふけにける  大伴家持
  田子の浦に うちいでて見れば 白妙の 富士の高嶺に 雪はふりつつ  山辺赤人

↑秋から冬の白三種盛り。つらぬきとめぬ玉は紐とか通してない玉。時代を超えて通じる美意識。

  契りきな かたみに袖を しぼりつつ 末の松山 波こさじとは  清原元輔
  陸奥(みちのく)の しのぶもぢずり 誰ゆゑに みだれそめにし われならなくに  河原左大臣
  有明の つれなく見えし わかれより 暁ばかり うきものはなし  壬生忠岑

↑波が越えない末の松山の如く心変わりしないと涙で誓い合ったのに。
信夫郡の忍草ですり染めした模様みたいに心が乱れるこんな私に誰がした。
あの時君に冷たくされて以来夜明けが鬱、こおゆうのを男が詠む時代。誰が一番遊んでそうに見えます?

  いま来むと 言ひしばかりに 長月の 有明の月を 待ちいでつるかな  素性法師
  やすらはで 寝なましものを 小夜ふけて かたぶくまでの 月をみしかな  赤染衛門

↑待ちながら見るものは月なのですね星も動くし明星ってのもあるのにナゼかしら。 
 
  つくばねの みねよりおつる みなの川 恋ぞつもりて 淵となりぬる  陽成院
  みかの原 わきて流るる いづみ川 いつみきとてか 恋しかるらむ  中納言兼輔
  由良のとを わたる舟人 かぢを絶え ゆくへも知らぬ 恋の道かな  曽祢好忠

↑演歌風味、ふわっとファンタジー、傍観者スタンスの違い。では↓はハッピーざわざわどっち?

  君がため 惜しからざりし 命さへ ながくもがなと 思ひけるかな  藤原義孝

解説を読むとわかったような気もするのと読んでもワカラナイのだけどどっちもこじらせてる感じ↓

  人も惜し 人もうらめし あぢきなく 世を思ふゆゑに もの思ふ身は  後鳥羽院
  なげけとて 月やはものを 思はする かこち顔なる わが涙かな  西行法師

  わが庵(いほ)は 都のたつみ しかぞ住む 世を宇治山と 人は言ふなり  喜撰法師
  天の原 ふりさけ見れば 春日なる 三笠の山に いでし月かも  阿部仲麿
  わたの原 八十島かけて 漕ぎいでぬと 人にはつげよ あまのつり舟  参議篁

↑思ってたのと違った。都の南東、しかは「然様に」。世を宇治は「憂し」で隠棲って言われる(だが違う)。
天の原の月は三笠山に出た月なんだなと中国(人の開いてくれた送別会)で詠んでますって日出処ってやつ?
冒険に漕ぎ出していったと伝えてくれよ漁師たち。と追われながらほざくダメふらぐ。笑

  秋の田の かりほの庵の 苫(とま)をあらみ わが衣手は 露にぬれつつ  天智天皇
  君がため 春の野にいでて 若菜つむ わが衣手に 雪はふりつつ  光孝天皇

↑上はコピペ、下はテンプレ習作。定型文が無難な程度に下手だったのか働くトップのイメージ作りか。

  小倉山 峰のもみぢ葉 心あらば いまひとたびの みゆき待たなむ  貞信公
  いにしへの 奈良の都の 八重桜 今日九重に にほひぬるかな  伊勢大輔
  人はいさ 心も知らず ふるさとは 花ぞ昔の 香ににほひける  紀貫之
  もろともに あはれと思へ 山桜 花よりほかに しる人もなし  前大僧正行尊
  誰をかも 知る人にせむ 高砂の 松も昔の 友ならなくに  藤原興風

↑紅葉よどうぞワンチャン天皇様のお越しを待って。
昔都に咲いた八重桜が今日はきゅうじゅう(宮中)にと上手いこと言ってみる。
人の心は知らんけど花の香りは昔のまま。
桜以外マブダチじゃない。
あの松でさえ昔からの友じゃない。……ニンゲンさんてば好き勝手言う。

  花さそふ あらしの庭の 雪ならで ふりゆくものは わが身なりけり  入道前太政大臣
  花の色は うつりにけりな いたづらに わが身世にふる ながめせしまに  小野小町

↑技巧を凝らしたのと言う人が言うと違うのと。そしてこちら↓才媛、父は末の松山の人、曽祖父が最も穏当。
 
  夜をこめて 鳥のそらねは はかるとも よに逢坂の 関はゆるさじ  清少納言

  玉の緒よ 絶えなば絶えね 長らへば しのぶることの 弱りもぞする  式子内親王
  うらみわび ほさぬ袖だに あるものを 恋に朽ちなむ 名こそ惜しけれ  相模
  春の夜の 夢ばかりなる 手枕に かひなく立たむ 名こそ惜しけれ  周防内侍

↑女性陣の歌のほうが猛々しいまであるというかばっさり?ざっくり?しっとりじゃーないっすね。
で。百人一首と言えばこの人、知名度高い。坊主めくり最凶札(ローカルルールだそうで意外)の人、歌はよくワカラナイお経と言うか、だからどーしたって感じですが。都至上主義の人たちの時代、辺境に住む正体不明の伝説的な人物(盲目?皇子?)が詠んだとされる歌、だとどーですいつどこで誰ってけっこう大事↓

  これやこの 行くも帰るも わかれては 知るも知らぬも 逢坂の関  蝉丸

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