タイトル | 代表作なら | ||||
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コメント | 野球漫画……じゃなかった、野球少年モノとかだろう!と思うのですがナゼかこの他というと、著者初の 長編恋愛小説、てのをかなり前に読んでいたりします。そのうち、とは思いつつ今回は違う。 金色の野辺に唄う。これが題名。金色はこんじき、と読みます。 こんじきののべにうたう。 きんいろって読んだ?なら、ちょっとイメージ変わりませんでした?……金の野原でさあ歌を。だと? 異世界ファンタジーか青春合唱部てな気が。そう思って借りましたが。女の勘です。何でもないです。 草原でもないのです。野辺送りと言います、葬式のコトです。季節は秋。金色は日本の秋、と何か。 おばあちゃんがこれからお亡くなりになるとこ、から始まるです。ひいおばあちゃん。 夫は故人、曾孫とか孫の嫁とかまるで赤の他人とか娘とか、そこに連なるきょうだい友人知人等々。 一生のうちにはかなり様々な人とのつながりが大小、直接間接できるもので、当然ながら。 逝った人を悼んでしみじみと語られる、婆ちゃんはいい女だった、感動のお話。 うひひそんなフツーなわけないでしょうに。 少なくともお耽美ではない言葉が選ばれているのですどっちかというと。題名でも金色。 黄金とかコガネイロとか、ねえ?うたうは歌う、ってのがより一般的ですが。たとえば謡う、詠う。謳う? 歌詞よりは音、民謡っぽいけど吟ずるってもんでも。歌だとラノベっぽいとか言う以前に……何と言うと 葬式で、うたうのは送る側ではなく送られる方で。だったら?(……かもなって気になりました?) 本文も同様、一見力入ってないとこにこの深淵?訓読みな言葉とかしばしばあるけど。 視点によっても違ったりするようでめりはりは極端、自分にはワカラナイ秘密の飴色つやつやです。 絢爛たる。という印象、材料よりは引き出して来た感じ。 言葉の本来持つ力を探り当てたら輝きを放つというか。鮮やかな冴えにはっとする。 読んでなくてもわりと知られてるコトに卓越した感性他ってこの著者の。今更何をでございます。 モノカキは感覚を磨き研ぎ澄ませて……何だったかな、忘れました、一般人と違う特殊能力。 そっかートギスマせてるんだよなとは何読んでてもよく思うですが。 あまりにも鋭く眩しすぎて、おいつめられてるように感じる時ってないですか。モノ書いてなくても。 恋愛小説、面白かったのですが続きで他のにいってなかったのは多分これ↑ と、ご縁の問題で。 このお話でもえらく鋭いのですが、ゆるゆるしてます。ゆるゆるって……違うんだけど。 逃がし解き放つ性質か容量か、ある。それはヒマゴ見るまで生きてきた婆ちゃん(お名前は松恵さん)の 人徳と、安易に言うとそうです、徳をかざして歩くのではない。するかしないかで言うとしない、ほう。 受けるとか流すとか呑み込んで腹におさめるとか……松恵さんはおおむね許容でできてますかもです。 じゃない時、が際立つということで、攻めてく場面のをひとつ。(唯一のじゃありません。) 「珠を持ってる人」と言います松恵さん(の母)が言う。「珠」とは何ぞや。 これぞ珠ですとは書いてないので、考えてみるのはいいかも。 非凡な美貌や才能に対抗しうるものであるらしい。遺伝子で相続ではないらしい。言われたら嬉しくも なる、お宝っぽいけど、妬んで奪うってものでもないよーな。ごろごろ居るかというと、そうでもない。 有り難い存在に感化されるってあることなので、珠持つ人の周りは珠珠して。それは……どーでしょう。 老女に若者が何かするってエピソードが、いっこ前の「手紙」とこのお話の中にもありまして。 上手く説明できそうにないので、読んでる人は両方読むと割り増し、かもしれません。 魔がさす瞬間とかみらの味噌汁とか。……個人的に偶然が面白かったってことですが。 本を読むのも 出会いで、オススメがぴたっと来るかどうかは人それぞれのものですしね。 婆ちゃんは穏やかに日の当たる人生に善いコトをして有り難い人になりましたと。 有終の美を飾る秘けつは、てなハウツー本的奨励事項は……多分ないです。 善悪を言ったら松恵さんはとにかく真っ当な人ですが、日常の瑣末に貴重な意味をみつけていこうとか そんな頑張ってないし。よかった事悪かった事とるに足らない事すべて、成る様になるしかなってない。 逆らってあがいて流れを変えても、限界又は奇しくも皮肉な結果が……これはご家庭内から出なくても 歴史の檜舞台なんかに立ってても違うものではないですねえ。 だから頑張っても同じさってわけじゃないけど。それはナめてるとか投げてるとか言うことで。 何十年単位の時間てのは効用なくないってのはあるかもしれません。 そこではならなかった事を、違う場所でさりげに返すとか、思わぬ形に育てるとか。 どうにもならなかったと泣かんでもいいのだというとり方するか、最後に後悔しない程度には頑張っとくと いいのか、オトシヨリには生きてきた年月分特典があってもそりゃ仕方ないかもとか……敬老して損は しませんけれどしたくもなります。 日々を重ね、年をとって死ぬというのは、減らして絶望していくことではありませんよって言われてる気 するのです。老いて死ぬって自然、なんだけど怖いと思ってるなら読んでみるといいね。 どうも早世するより怖ろしげなのは衰えてってのがつくからだけど、受け入れて生きた人の去り際です。 |
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iコード | i42860 | 掲載日 | 2012年 03月 06日 (火) 14時 16分 24秒 | ||
ジャンル | イラスト | 形式 | JPG | 画像サイズ | 430×580 |
ファイルサイズ | 81,308 byte |
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